「ゼロ」だけでは救えない命を救うために、全国各地に活動者を輩出したい。
殺処分問題をはじめとした“人と動物の共生”にまつわる課題解決を目指し、2012年より活動を続けるNPO法人 人と動物の共生センター(所在地:岐阜県)は、全国各地で活動する次世代の実践者育成プロジェクトをスタートさせた。
その資金調達のため、11月1日より『ふるさと納税(ふるさとチョイス)』を活用したクラウドファンディングにて寄付受付を開始した。
https://www.furusato-tax.jp/gcf/2004
■「殺処分ゼロ」=「課題の解決」ではない
かつて、100万頭を超えた犬猫の殺処分。それが今や、多くのボランティアや行政などのたゆまぬ努力によって、都市部を中心に「殺処分ゼロ」が達成されつつあります。
しかし一方で、収容限界の犬猫で溢れる保護施設が数多く存在する現状。一部の施設では、犬同士の咬傷による死亡事故も報告されています。
つまり、「殺処分ゼロ」の達成だけで、課題が解決しているとは言えないのです。
■殺処分の一歩先。保護すべき犬猫が生み出されない社会へ
同団体が目指しているのは、殺処分ゼロだけでなく、その一歩先の、保護すべき犬猫が生み出されない社会です。
私たちは、より上流の蛇口、蛇口の“元栓”を閉める活動に力を入れています。たとえば、飼い主の無知から捨てられる犬をなくすために、しつけ教室「ONELife」での適正飼育の普及や、犬猫の問題行動を専門に扱う「ぎふ動物行動クリニック」での相談・治療を実施。
ぎふ動物行動クリニックは、日本で唯一、獣医行動診療科認定医が2名所属する動物病院として、日本有数の診察数を誇っています。▼ONELife・ぎふ動物行動クリニック
https://human-animal.jp/actions/proper-care■殺処分以外にも、山積する課題
また、犬猫の殺処分だけが課題ではありません。
たとえば、災害時のペット同行避難も、大きな社会問題となりつつあります。実際に、「ペットがいるから…」と避難をためらい、飼い主が命を落としてしまう事例も報告されています。
同団体では、2019年より「ペット防災」に対する取り組みにも力を入れ、災害時にペットを飼っていても安心して避難できる社会を目指し、年2回の「動物避難所」開設訓練を実施しています。▼ペット防災の取り組み
https://human-animal.jp/actions/pet-bousai動物避難所開設訓練の様子2014年からは、高齢者とペットの共生にまつわる支援活動もスタートしました。
「ペット後見互助会とものわ」を設立し、万が一、入院や病気でペットを飼えなくなった時に備える仕組みづくりを推進しています。▼ペット後見互助会とものわ
https://pet-kouken.jp■社会を変えるために必要なのは、たくさんの仲間たち
このような活動を私たちが直接的に実施することで、多少なりとも飼い主さん、動物たち、地域のみなさまの力になったのではないかと自負しています。
ただ、私たちの力だけでは、限界があります。
私たちだけで、社会を、世界を変えることはできません。そこで同団体では、これまでの活動で得られた専門知識を社会に還元するため、オンライン市民大学「人と動物の共生大学」を設立し、獣医師や大学で教鞭を執る講師陣による数々のオンラインセミナーやワークショップを実施してきました。
その内容は、動物行動学、動物福祉学、適正飼育、ペット防災など多岐にわたり、月に4〜8回のペースで連続開催しています。
2022年11月現在、登録者数は2,700人を超えました。人と動物の共生に興味・関心をもち、「何かしたい」と考える人たちが、誰もが分け隔てなく、無料で学べる場をつくることで、動物保護活動・動物福祉活動の底上げをしていきたいと考えています。
▼人と動物の共生大学
https://human-animal.jp/kyouseidai■次世代の担い手を育成し、活動を全国へ拡げたい
とはいえ、一方的に知識や情報を提供するだけのセミナーでは、実際に地域で活動する実践者を増やすことには直結しません。
「これから活動をはじめたい」「動物のために何かしたい」
そう考えているたくさんの人が、実践的な活動への一歩を踏み出すためには、同じ立場の人と意見交換をしたり、悩みをシェアしたり、既に活動している先輩から具体的な事例を聞いたりすることが必要だと考えます。そこで本プロジェクトでは、「何かはじめたい」と思う人たちが双方向でつながり合い、学び合える場を創出することにも注力しています。
既にスタートしている「動物系ファシリテーター養成講座」もそのひとつです。動物系NPO活動は、動物のことだけを考えていては上手くいきません。
人と人をつなぎ、互いの話を聞き、協力できる関係をつくることでこそ、円滑な活動が可能になります。同講座では、企業でファシリテーション研修を行う講師を招聘し、講義と実践を通じてファシリテーターを養成。一方的なオンラインセミナーではなく、対面の場に近いコミュニティを形成します。
また、2024年12月には、岐阜市にて「人と動物の共生サミット」の開催も企画しています。
「適正飼育」「ペット後見」「ペット防災」「人福祉と動物福祉の連携」「過剰繁殖抑制」「ペット産業のCSR」の各分野のトップランナーを招聘し、これからの人と動物の共生社会の展望を構想していきます。さらには、さまざまな団体や企業のブースを設け、人と人の交流を促進。オフラインでのリアルな会話を交わすことで、互いに連携した活動が生まれるきっかけになると考えています。
人と動物の共生に関わる市民活動について“横断的”に取り扱うこのような場は、日本で初の試みとなります。本サミットが、全国の活動者をつなぐ媒体となり、全国各地における活動の進化と課題解決を促したいと考えています。
■無料で、誰もが分け隔てなく学べる場を永続させるために
人と動物の共生大学の講座やゼミはすべて、参加無料です。
その運営は、「動物のために何かしたい」と考えるみなさまの寄付等によって成り立っています。今回は、“使いみち”を特定して納税先を選べる「ふるさと納税」にて寄付受付をスタートいたしました。集まった寄付金は、次世代の担い手育成のための講座開催費用として活用します。
■ふるさと納税で寄付すると?
寄付した金額から2,000円を差し引いた額が、住民税などの税額控除の対象となります。
(例:10,000円を寄付−2,000円=8,000円控除)実質的な負担は2,000円のみで、自治体に支払う税金を寄付金に充てることができます。
▼ふるさと納税(ふるさとチョイス)詳細ページ
https://www.furusato-tax.jp/gcf/2004<リンク一覧>
公式サイト:https://human-animal.jp
Facebook:https://www.facebook.com/tomoikiofficial
Instagram:https://www.instagram.com/tomoikiofficial
殺処分ゼロの一歩先へ。“次世代の担い手”を育てる「人と動物の共生プロジェクト」スタート(11月1日〜)|特定非営利活動法人人と動物の共生センター